グループホームとは?
グループホームについてのご案内
グループホームは、認知症を患う高齢者がその人らしく自由に、
自信を持って暮らしてもらうための暮らしの場です。
認知症介護の歴史
日本における認知症高齢者は団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年には700万人を超えると予想されています。有吉佐和子著「恍惚の人」はベストセラーになり、1970年代以降の高齢者問題をクローズアップさせました。
ある日、痴呆状態となりすっかり別人格となった「恍惚の人・茂造」は小説の主人公でありながら何も発言しません。家族は懸命に介護しますが振り回されて疲労困憊、悲劇の中に幕を閉じます。高齢化社会の到来と共に認知症高齢者は病院や施設に隔離拘束、薬漬けにされ、尊厳は保たれず、人間らしさとはおよそかけ離れた晩年を送らざるを得ませんでした。
1995年46歳のときにアルツハイマーを宣言されたオーストラリア政府の高級官僚クリスティーン・ブライデンさんは認知症患者の立場から発言を始めました。著書『私は誰になっていくの?』(2003年桧垣洋子訳)の中で、「認知症になっても必要なときに適切な支援があれば、尊厳を保ちながらその人らしく暮らしていける」と述べています。
1985年頃北欧で生まれたグループホームが日本に上陸したのが1995年頃。2000年の介護保険スタートと共に本格的に普及し始め、今では認知症介護の特効薬とさえ言われています。
グループホーム《もえぎ》
在宅生活では認知症が進行するに連れ、かつてのような自分でいられないことから自信を失いがちです。外出が減り、人と会う機会、社会と触れ合う機会も減り、孤独な生活に陥りやすいのです。しかし、もえぎでは他のご入居者や信頼のおけるスタッフとの関わりの中で社会性のある暮らしが持続されますので、活気と自信を取り戻し、在宅で生活していた時よりも、お元気になるケースも決して珍しくはありません。自宅では見られなくなっていた表情をしている親の姿を見て、驚かれる家族も少なくないのです。
グループホームは認知症の高齢者が共同生活(各ユニット9名)することにより、その進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることが目的の介護保険サービスの一つです。一定のルールやスケジュールなどで管理せず、スタッフのサポートを受けながら、料理、掃除、洗濯等の家事の他、買い物、散歩、外出等を続け、日常生活そのものをリハビリと捉えます。グループホームはまさに認知症を患いながらも自分らしく生きていくための〈暮らしの場〉です。
いつまでも住み慣れた家や街で暮らし続けたい、でも、認知症の進行があるためにどうしてもそれが叶わない……そういう方のために、グループホーム「もえぎ」は存在します。地域密着型サービスなので、住み慣れた街で暮らし続けていくことができますし、もえぎは〈家庭的な環境〉に特にこだわりを持って運営していますので、居室内はあえて家具付きにしておりません。入居時には普段から慣れ親しんでいる家具や写真等を持ち込んで頂き、入居前と入居後のギャップを少なくするようにしています。そうすることで環境の変化(リロケーションダメージ)に弱い認知症高齢者の負担を可能な限り減らし、安心した日常生活を送れるよう配慮しています。もえぎのスタッフにユニフォームを設けていないのも、家庭らしさを大切にしているためです。
もえぎは〈施設〉ではなく、認知症を患う高齢者のための〈住まい〉であり、家庭の延長です。余暇として、お茶や習字、生け花、カラオケ、体操、紙芝居など、ボランティアさんによる様々な活動、もえぎスタッフによる季節行事やアクティヴィティはありますが、イベント中心の生活ではなく、あくまで当たり前(普通)の生活を送りながら、認知症の進行を抑制し、ADLの維持、QOLを追求していきます。
グループホーム「もえぎ」では、その人の持っている力を存分に発揮しながら、その人らしくより豊かな生活が送れるようにしています。
もえぎ運営理念
- その人らしく生きる姿を、温かな心と確かな専門性をもって支え続けます。
- その人の有する能力を見極め、発揮する機会と活躍の場を提供します。
- 思いの背景を汲み、本人の意思を尊重します。
- 地域社会の中で人と人とのふれあいを大切にします。